位相空間𝙓が連結であるとは、𝘼≠∅, 𝘽≠∅, 𝘼⋂𝘽=∅となるような、どんな開集合𝘼と𝘽を持って来ても、𝙓≠𝘼∪𝘽が成り立つことです。これは位相の講座を履修したことのある人なら誰でも知っていることでしょう。ところが、前述のような𝘼と𝘽が閉集合であっても同じことが成り立ち、更にもっと簡略な言い方をすれば、開集合且つ閉集合であるような集合は𝙓と∅以外に存在しないことと言ってもいいことを何回説明しても理解出来ない学生がいると友人共の一人から聞きました。そこで、これに関して少しばかり解説しておきます。𝙓が連結でないなら、𝘼⋂𝘽=∅となるような空でない開集合𝘼と𝘽があって、𝙓=𝘼∪𝘽となります。これを、ここでは𝙓は空でない開集合𝘼と𝘽に 分離される と言うことにします(正式な言い方なのかどうかは知りません)。先ず最初に𝙓が開集合に分離されていると仮定すると定義により、開集合𝘼と𝘽があって、𝘼≠∅, 𝘽≠∅, 𝘼⋂𝘽=∅, 𝙓=𝘼∪𝘽となります。ここで𝘼と𝘽は各々開集合なので、(𝙓∖𝘼)と(𝙓∖𝘽)は各々閉集合です。ところが、(𝙓∖𝘼)=𝘽, (𝙓∖𝘽)=𝘼なので、𝙓=𝘼∪𝘽=(𝙓∖𝘽)∪(𝙓∖𝘼)。結局、開集合に分離されることは閉集合に分離されることになります。その逆、つまり閉集合に分離されるならば開集合に分離されることも、𝘼と𝘽が各々閉集合だと始めに仮定して、先程の説明の中の開集合と閉集合の役割を交換すれば同様に成立します。開集合に分離されることと閉集合に分離されることが同値なので、開集合に分離されないことと閉集合に分離されないことが同値ということになります。以上で、分離されないこと、すなわち連結の定義の中の開集合を閉集合で置換えても問題ないことが分かったでしょう。次に、先程の説明をよく見るならば、𝘼と𝘽が開集合且つ閉集合であり、それらは𝙓でも∅でもありません。𝘼と𝘽のような開集合且つ閉集合が存在するなら、開集合(又は閉集合)に分離される、すなわち連結でないことを意味します。逆に連結でないこと、すなわち開集合(又は閉集合)に分離されるならば、𝙓でも∅でもない𝘼と𝘽のような開集合且つ閉集合が存在することも先程の説明を見れば明らかでしょう。す...