前々から思っていたことですが、日本のアマゾンの洋書リヴューを何故か日本語で書く人がいることを私はずっと変だと思っていました。一体誰に読んで貰おうと想定しているのでしょうか。日本のアマゾンで洋書を注文して読むのは日本人だけだと思っているとすれば相当にお目出たいと言わざるを得ません。日本在住の外国の方を何人か知ってますが、彼等の日本語能力は一般的に日常会話では支障無いのですが、読み書きが余り出来ません。全部ひらがな、もしくはカタカナの文章なんて普通はあり得ませんから、どうしても読解に制約があるのです。彼等も日本のアマゾンで洋書を注文しますが、リヴューを読みたくても殆ど日本語なので参考にならないのです。但し、断っておきますが、発音するだけなら日本語ほどやさしい言語は世界にありません。何故なら、純粋な子音が存在しないからです。あ行以外は子音ではないのかと思っている馬鹿は以降を読まずにお引取り下さい。発音がやさしいから来日早々でも結構話せる人が多いのです。結局難しいのは日本語会話ではなく、読み書きの方なんです。特に手で漢字を書くことは外国の方には至難の業らしいです。ですから、洋書リヴューはその洋書の言語で書くべきであり、そうすることで日本語という特殊な言語の防波堤に隠れて好き勝手なことを喚いている卑怯者達と後ろ指を指されないことにも繋がります(と言うか、そもそも大学までも含めて少なくとも約10年間も英語を勉強したはずなのに、聞く話すは勿論のこと、読み書きすら出来ないのはおかしいと私の海外の知人達は言ってます)。そして、もしかして原著者がたまたま日本のアマゾンの洋書リヴューを見る可能性も皆無ではないでしょう。そんなことがあればリヴューワとして本望だと思います。 さて、今回紹介する記事は前回(“ 欠乏、そして戦争と平和の時代に一人のユクレイニヤンが数学に魔力を見つける ”)に続いてMaryna Viazovska博士のもので、“ IMU Fields Medal 2022 Maryna Viazovska Interview ”(PDF)です。このインタヴュー記事を読んで私が思ったことは二点あります。一点はViazovska博士はご自分の研究分野を幾何学だと自負していることです。これは意外でした。彼女の研究分野は数論、もっと正確に言えば解析的数論だと私なんぞは思ってました。もう